フリーランスとして働く際に必要となる国民健康保険料は、多くの方が気になるポイントです。
収入が不安定なフリーランスにとって、いくら保険料がかかるのか事前に把握することは非常に重要です。
本記事では、フリーランスが加入する国民健康保険の仕組みや保険料の目安、さらには保険料を抑える方法について詳しく解説していきます。
これからフリーランスとして働く方や既にフリーランスとして働いている方も、ぜひ参考にしてください。
1. フリーランスと国民健康保険
フリーランスとして働く場合、国民健康保険に加入する必要があります。
国民健康保険は、日本国民全員が加入する公的医療保険です。
1.1 フリーランスの加入義務
フリーランスにも、会社員と同様に国民健康保険への加入義務があります。
日本では国民皆保険制度が採用されているため、基本的には全ての国民が公的医療保険に加入しなければなりません。
フリーランスも例外ではありません。
フリーランスは健康が重要な資産であり、適切な健康保険の知識を身につけ、保険に加入することが重要です。
そうすることで、万が一の時にも安心して医療を受けることができます。
1.2 国民健康保険の選択肢
国民皆保険制度の下では、フリーランスには複数の健康保険の選択肢があります
。以下の4つの選択肢から、最も適した健康保険を選ぶことをおすすめします。
- 国民健康保険
- 任意継続
- 扶養に入る
- 国民健康保険組合
これらの選択肢の中から、自分にとって最もメリットのある健康保険を選びましょう。
1.3 保険料を抑えるためのポイント
フリーランスの収入は不安定なこともあり、できるだけ保険料を抑えたいと考える方も多いでしょう。
そのためのポイントをいくつか紹介します。
- 収入を正確に報告する: 収入が多ければ保険料も高くなるため、正確な収入を報告しましょう。
- 家族の扶養に入る: 家族がいる場合は、家族の扶養に入ることで保険料を節約することができます。
- 国民健康保険組合に加入する: 国民健康保険組合に加入することで、保険料を割安にすることができます。
これらのポイントを参考にしながら、保険料を節約しましょう。
以上がフリーランスと国民健康保険に関する基本的な情報です。
2. 会社員とフリーランスの保険の違い
会社員とフリーランスは、保険制度において大きな違いがあります。
以下では、会社員とフリーランスの保険の違いについて詳しく解説します。
保険加入の義務と種類の違い
会社員は雇用されることにより、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険に加入することが義務付けられています。
一方でフリーランスは、国民健康保険と国民年金のみの加入が義務付けられています。
そのため、フリーランスは自己のリスクに備えるために独自の保険プランを組む必要があります。
扱われるリスクの違い
会社員は社会保険によって幅広いリスクに備えることができます。
ただし、フリーランスが加入できる保険は限られており、働けなくなった場合は収入が途絶える可能性があります。
そのため、フリーランスは休業リスクに備えるため、少なくとも生活費1年分程度の貯金や民間の保険に加入することがおすすめされています。
税金と給与所得控除の違い
税制においても会社員とフリーランスは異なる取り扱いを受けます。
会社員は給与所得控除を受けることができ、年収に応じた一定の金額を給与から差し引いた金額が課税対象となります。
一方、フリーランスは給与所得控除の対象外であり、全収入が課税対象となります。
このため、フリーランスは経費の計上などを工夫することで税金の節約を図る必要があります。
会社員とフリーランスは、保険制度において大きな違いがあります。
フリーランスは社会保障が少なく、病気やケガ、老後資金などを自己負担で備える必要があります。
また、フリーランスは給与所得控除の対象外で全収入が課税対象となるため、節税のためにも工夫が必要です。
これらの違いを理解し、適切な対策を講じることが、フリーランスとしての重要な課題となります。
3. 国民健康保険料の目安や計算方法
国民健康保険料は、自治体ごとに異なる保険料率が設定されています。
また、所得や年齢によっても保険料の金額が異なるため、お住まいの自治体が提供している保険料の目安を確認することが重要です。
具体的な国民健康保険料の計算方法について説明します。
保険料の計算方法
国民健康保険の保険料は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分の合計額で算出されます。
その計算には「算定基礎額」と呼ばれる額が利用されます。
算定基礎額は、前年の総所得金額から基礎控除43万円（総所得金額が2,400万円以下の場合）を差し引いた額です。
サンプル計算例
- サンプル計算例１：独身・一人暮らしの23歳で年間所得が200万円の場合
- 居住地：東京都新宿区
- 年齢：23歳
- 前年の総所得金額等：200万円
医療分の計算方法：
– 医療分15万7,569円 = 所得割額（（200万円 – 43万円）× 0.0717）+ 均等割額（4万5,000円 × 1）
上記の計算結果を合計すると、国民健康保険料は総額21万663円となります。
- サンプル計算例２：夫婦二人暮らしの27歳で年間所得が300万円の場合
- 居住地：東京都新宿区
- 配偶者の有無：あり（所得なし）
- 年齢：27歳
- 前年の総所得金額等：300万円
医療分の計算方法：
– 医療分27万4,269円 = 所得割額（（300万円 – 43万円）× 0.0717）+ 均等割額（4万5,000円 × 2）
支援金分の計算方法：
– 支援金分9万2,394円 = 所得割額（（300万円 – 43万円）× 0.0242）+ 均等割額（1万5,100円 × 2）
上記の計算結果を合計すると、国民健康保険料は総額36万6,663円となります。
国民健康保険料の計算方法は個人の状況によって異なるため、正確な金額を知るためにはお住まいの自治体が提供する情報を確認する必要があります。
自治体の早見表や計算シミュレーターを利用して、自身の保険料を確認しましょう。
4. フリーランスが払う保険料の注意点
フリーランスが保険料を支払う際には、以下の注意点に留意する必要があります。
4.1 保険料は全額自己負担
フリーランスは会社員とは異なり、保険料を全額自己負担する必要があります。
保険料の金額によっては負担が大きくなる場合もあるため、事前に支払額を把握することが重要です。
4.2 国民健康保険と健康保険の違い
フリーランスは国民健康保険に加入するため、会社員が加入する健康保険とは異なります。
国民健康保険の保険料は収入に応じて変動し、未加入や未払いには罰則があります。
そのため、正しい手続きを行い、保険料の支払いを怠らないように注意が必要です。
4.3 雇用保険と労災保険への加入ができない
フリーランスは雇用保険や労災保険に加入することはできません。
したがって、失業や労災の際には自己負担となり、補償を受けることができません。
フリーランスの収入は不安定な場合が多いため、個別の保険加入など、自身の保護策を考える必要があります。
4.4 家族の扶養に入れない
フリーランスが国民健康保険に加入する場合、家族の扶養制度はありません。
そのため、家族も保険料を全額自己負担する必要があります。
家族がいる場合は、その負担も考慮して保険料を支払う必要があります。
4.5 組合や協会への加入を検討する
保険料を節約する方法として、フリーランス向けの組合や協会に加入することも一つの選択肢です。
組合や協会に加入すると、一定の保険料で済む場合があり、国民健康保険よりも費用を抑えることができるかもしれません。
ただし、業種によって適切な組合や協会が異なるため、自身の職業に応じて検討してください。
以上がフリーランスが保険料を支払う際に留意すべき注意点です。
フリーランスは自身で負担しなければならない項目が多いため、保険料を低く抑える方法や自己保護策を重要視することが必要です。
適切な保険に加入し、将来のリスクに備えることをおすすめします。
5. 保険料を抑える方法
保険料を削減するためには、いくつかの方法があります。以下では主な方法を紹介します。
5.1 青色申告を利用する
所得税の確定申告時に青色申告を行うと、所得（売上 – 経費）から最大で65万円の特別控除を受けることができます。
この特別控除は所得税だけでなく、住民税や社会保険料にも影響を与え、負担を軽減することができます。
5.2 経費を適切に計上する
経費を漏れなく正確に計上することも重要です。
経費の計上漏れがあると実際の所得よりも高く見積もられ、税金や社会保険料の負担が増えてしまいます。
事業に関係のない出費を計上しないように注意し、細かい経費も適切に計上することが大切です。
以下は経費として計上できる費用の一部です：
- 事業で利用している事務所の家賃
- 事業で利用している事務所の水道光熱費
- 事業で利用しているパソコンの購入費用
- 事業で利用している携帯機器（パソコン）の通信費
- 事業に関係する書籍や電子コンテンツの購入費用
- 事業で利用している車の費用全般
正確な経費計上により、負担を軽減することが可能です。
5.3 減額・減免制度を活用する
国民健康保険には、家庭の状況に応じた減額・減免制度があります。
前年の所得が一定基準以下の世帯には減額制度が適用され、世帯の人数や前年の所得に応じて保険料の減額率が異なります。
さらに、自治体によっては災害や病気、勤務先の倒産などの事情を考慮して様々な減額・減免制度を設けています。
保険料の負担を軽減するためには、自分が該当する減額・減免制度を活用することが重要です
。各自治体の制度を確認し、必要な手続きを行いましょう。
5.4 経費を増やし所得を低くする
経費を増やすことで所得を抑えることができます。
所得が低ければ、国民健康保険料も割合に応じて減少します。
経費として計上できる費用を把握し、事業に関連する費用をしっかりと計上しましょう。
経費を増やし所得を低くするためには、以下の点に注意が必要です：
- 仕事で使用した費用は経費として計上する
- 領収書やレシートなどの証拠を保管する
これらの方法を実行することで、保険料の負担を軽減することができます。
以上が保険料を削減するための主な方法です。
個々の状況や制度に応じて、最適な方法を選択しましょう。
保険料の負担を軽減するためには、自身で制度や手続きを理解し、積極的に活用することが重要です。
まとめ
以上がフリーランスと国民健康保険に関する基本的な情報です。
フリーランスとして働く場合、国民健康保険に加入することが義務付けられています。
フリーランスは保険料を全額自己負担しなければならないため、収入の不安定さに備えるための保険プランの組み立てや、経費の計上などを工夫する必要があります。
また、青色申告や減額・減免制度の活用など、保険料を抑える方法もあります。
フリーランスと会社員とでは保険制度が異なるため、フリーランスは自己のリスクに備えるための対策を講じる必要があります。
適切な保険に加入し、将来に備えることをおすすめします。
