WEBマーケティングでよく聞く「ペルソナ」。
マーケティングの本などを読まれたことがある方は、一度は「ペルソナ」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、ペルソナについては「なんとなく理解している」という状態でも、実際ビジネスで用いたことがないと、なかなか詳しい内容までは知らない方も多いと思います。
個人のひとりビジネスにおけるブランディングやマーケティングでは、「ペルソナ」は非常に重要な概念です。
今回は、ペルソナの基礎知識から具体的な設定方法や注意点、そして具体例を交えながら詳しく解説していきます。
ペルソナ設定とは
ペルソナとは
「ペルソナ」とは、あなたのブランドや商品・サービスを使用する「仮想の人物像」を意味します。
ペルソナと同じような概念として、「ターゲット」がありますが、どのように違うのでしょうか。
ターゲットとペルソナの違い
「ターゲット」は複数人の「集団」を表すのに対し、「ペルソナ」は特定された1人の「個人」を指します。
例えば、「40代男性の会社員」という集団がターゲットです。
一方ペルソナは、同じ40代男性の会社員であっても、価値観やライフスタイル、悩みなどのパーソナリティの部分まで深堀りして絞り込みます。
そしてそのペルソナに対して、ブランディングやマーケティングの施策を講じていきます。
ペルソナを設定するメリット
- 多角的な視点で新たな気づきが得られる
- 具体的なニーズを理解できる
- 心に刺さるアプローチができる
ペルソナはターゲットと違い、個人の悩みや価値観、ライフスタイルといったパーソナリティの部分まで設定するため、リアルな人物として、感情移入しやすくなります。
より多角的な視点でペルソナを捉えることができれば、具体的なニーズの理解や新たなニーズの発見につなげることができます。
その結果、心に刺さる鋭いアプローチができるようになります。
特定されていない万人に向けた言葉より、一人のペルソナに向けた言葉の方が、より心に刺さるのです。
ペルソナ設定の2ステップ
STEP1 顧客ニーズの調査
近年インターネットの発達により、誰でもある程度簡単に顧客ニーズを探ることができる便利な時代になりました。
そこで、インターネットを使い顧客のニーズを調査する方法をいくつかご紹介します。
そもそもニーズとは
ニーズとは、顧客が抱える悩みなど、「欲求が満たされていない状態」のことを指します。
例えば、「喉が渇いたから水分が欲しい」という状態がニーズです。
「ニーズ」と同じような言葉に「ウォンツ」がありますが、「ニーズ=目的」であるのに対し、「ウォンツ=手段」を意味します。
パソコンを例に挙げると次のようになります。
- 【ニーズ】仕事の効率を上げたい
- 【ウォンツ】パソコンが欲しい
顧客のニーズを把握していないと、顧客に全く刺さらない販促活動を行ってしまったり、見当違いの商品やサービスを提案してしまう可能性があるので要注意です。
例えば、ウォンツだけに囚われていると、スペックが低く処理速度が遅い格安パソコンなどを提案してしまう恐れがあります。
これでは顧客ニーズを満たすどころが、真逆の提案であるため全く満たされることはありませんよね。
一方、顧客ニーズを把握できていれば、要望に沿った処理速度のパソコンを提案できるわけです。
Q&Aサイトで調査
Q&Aサイトは、悩みを抱えた多くの人が質問をするサイトで、日々膨大な数の質問が寄せられています。
手軽に顧客ニーズを調査するのに、まさに打ってつけのサイトとなります。
代表的なサイトは、「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」です。
Q&Aサイトで、ニーズ調査に繋がるキーワードを入力して、検索結果から悩みの種類や属性などを探っていきましょう。
SNSで調査
近年ではTwitter、Instagram、FacebookなどのSNSが普及し、個人が自由に情報を発信できるようになりました。
特にTwitterは、不特定多数に向けてオープンに情報発信できるので調査には向いているSNSですね。
しかし、Q&Aサイトのように悩みや疑問だけを投稿しているわけではないため、検索方法に少しの工夫が必要になります。
ただTwitterは、投稿者のプロフィールが確認できたり、過去の投稿内容も閲覧できるため、嗜好や価値観などのパーソナリティの部分も把握しやすいのが大きなメリットです。
書籍や口コミ・レビューで調査
関連する書籍や、その書籍の口コミやレビューからニーズを調査することも可能です。
例えば、Amazonや楽天ブックスなどのサイトから、関連する書籍を探してみます。
出版本が多ければ間違いなく需要はありますので、書籍の概要欄から、どんな悩みを抱える人に向けて書かれてた本なのかを探ってみましょう。
実際に書籍を購入してみてもよいですね。
さらに、その書籍の購入者レビューもチェックしてみてください。
サジェストキーワードや関連キーワードで調査
サジェストキーワードとは、検索エンジンにキーワードを入力すると自動的に表示される検索候補のキーワードです。
よく検索されているキーワードの候補を自動的に表示してくれます。
例えば、下記は検索窓に「脱サラ」+「スペース」と入力した際に表示されるサジェストキーワードです。
サジェストキーワードとして、「起業」「失敗」「後悔」「方法」などが表示されています。
ここから、「脱サラして起業を考えている人が多そうだな」とか、「脱サラして失敗や後悔したくないと考えている人が多そうだな」といった、需要やニーズをくみ取ることができます。
また、サジェストワードと同じようなキーワードに、関連キーワードがあります。
これは検索結果の下部に表示されているキーワードで、サジェストキーワードと同様に需要やニーズを調べることができます。
過去の自分や身近な人物からヒアリング
自分が過去に同じような悩みを抱えていて、それを克服した経験がある場合、過去に遡り当時抱えていた悩みを書き出してみましょう。
また身近な人物に同じような悩みを抱えている人がいれば、直接聞いてみるのもよいですね。
STEP2 ペルソナを設定する
STEP1の調査で集めた情報を元に、ペルソナを設定していきます。
ペルソナの設定項目
ペルソナで設定する項目には、以下の4つの要素を取り入れます。
- 【地理的変数】国、地域、人口密度、都市化の進展度、気候など
- 【人口動態変数】年齢、性別、職業、所得水準、学歴、家族構成など
- 【心理的変数】ライフスタイル、価値観、購買動機、性格、好みなど
- 【行動変数】購買状況、購買プロセス、使用頻度など
具体的には下記の項目を設定していきますが、必ずしもこの項目というわけではなく、ブランディングやマーケティングの対象により柔軟に変更しましょう。
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 収入・貯蓄状況
- 最終学歴
- ライフスタイル(起床・就寝時間、通勤時間、勤務時間、休日の過ごし方)
- 性格・価値観
- 人間関係・家族構成
- 趣味・興味
- 悩み・課題
- 夢・願望
- インターネット利用状況・利用時間
- 所持するデバイスの種類
突然ですが、あなたはラブレターを書いたことがありますか?
もちろん、相手が決まっていないのに、ラブレターを書くことはできませんよね。
ブランディングやマーケティングも同じです。
誰かわからない人に伝えようとしても誰にも伝わらないんですね。
あなたがメッセージを伝える相手は誰なのか?
これを決めるのがペルソナ設定なのです。
ペルソナの設定例
ペルソナの設定例として2つの例を紹介します。
もし過去の自分や身近な人に該当する人物がいれば、その人をペルソナにしてもよいですね。
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【氏名】吉田 さおり 【年齢】42歳 【性別】女性 【学歴】服部栄養専門学校 【居住】埼玉県ふじみ野市の一戸建て 【職業】主婦 【年収】600万円(世帯年収) 【家族構成】夫、中学生の娘 |
吉田さおりは真面目で明るい性格。普段使うデバイスはスマートフォン。
受験中だった娘の高校が決まりほっとしてる。肌荒れなどが気になっていたが、今までは家族のことを第一に考え自分のことは二の次という生活を送っていた。最近は時間と心に少し余裕が出てきたため、美容に力を入れようと美顔器の購入を検討している。楽天や価格.comどのサイトで購入者レビューを参考に商品選びをしている。 |
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【氏名】斎藤 智雄 【年齢】50歳 【性別】男性 【学歴】日本大学工学部 【居住】東京都練馬区の賃貸マンション 【職業】卸売業の営業課長 【年収】800万円 【家族構成】未婚 |
都内の卸売業で営業課長を務める斎藤智雄は、明るく几帳面な性格。仕事ではパソコンとタブレット、スマートフォンを使いこなし、家ではノートパソコンを主に使っている。
最近は今後のライフプランを考え始めているため、健康に気を使いたいと思っている。普段は外食が多く、運動もほとんですることはないため、お腹が出てきていることに悩みを抱えている。そしてパーソナルジムなど大がかりな運動をすることなくダイエットしたいと考えており、インターネットを使い軽い運動や食事でのダイエットプログラムを検討している。 |
ペルソナ作成の注意点
- 自分に都合のいいような人物像に仕立てない
- 定期的に見直す
最も注意したい点は、ペルソナを、自分にとって都合がいい理想の人物像に仕立てないことです。
現実の消費者ニーズと乖離してしまわないよう、極力先入観や思い込みを排除して、調査から得られた客観的データをもとに作成していきましょう。
そして2点目は、作りっぱなしにせず、定期的に見直すということです。
ペルソナは、一度作ればそれで終わり、というわけではありません。
一度完成したペルソナを過信せず、必要に応じて修正することも大切です。
時間が経てば、ユーザー像も少しずつ変わっていく可能性があります。
定期的にペルソナの見直しを行い、ビジネスの成長とともに修正していきましょう。
まとめ
「ペルソナ」は、個人のひとりビジネスでこそ真価を発揮します。
ひとりビジネスで生き抜くためには、大手企業が参入しないニッチな分野であなたの旗を立て、たった一人の顧客に向けたビジネス戦略を展開していくことが重要になります。
そのためにもペルソナ設定が有効になるのです。
十分な調査を行い、しっかりとしたペルソナを何度も練り直して作り上げていきましょう。