ポジショニングマップで戦わないポジションを見つける方法

今回はビジネス戦略を立てるときに欠かせない「ポジショニング」と、ポジショニングの分析手法である「ポジショニングマップ」について解説していきます。

大企業であろうが個人であろうが、ビジネスにおいて、どのポジショニングで戦っていくかを決めるのは非常に重要です。

あなたの強みを最大限に活かし、独自ポジションを確立することができれば、競合と競争をすることなく結果を出すことが可能です。

逆にポジショニングに失敗すると、利益も出せずにただただ消耗することになってしまいます。

そしてポジショニングマップは、ターゲット市場におけるあなたと競合の立ち位置を視覚化してみることができる分析手法です。

その書き方と使い方を覚えておけば、あなたのビジネスの成功に大いに役立ちます

この記事では、ポジショニングマップの具体的な作成方法を解説していますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

ポジショニングとは

ポジショニングとは、「ビジネスにおける立ち位置」であり、どの土俵で戦うかを決めるということです。

ポジショニングの目的は、顧客から見て「替えのきかない独自の存在」になれる立ち位置を見つけることだと言えます。

競合がいない立ち位置にポジションを築くことができれば、ライバルと競合することもなく、安定したビジネスを見込むことができます。

例えば、スターバックスであれば、「おしゃれな空間でゆっくりとくつろげるカフェ」

ハーゲンダッツであれば、「高級で美味しいアイス」

日経新聞であれば「ビジネスで役に立つ新聞」

というように、ブランド名を聞いただけで、すぐに思い浮かべるイメージや印象があります。

ブランド側から見れば、これがまさに独自のポジションを築けている証となります。

そして、ポジショニングの重要性を示す例として、資生堂が販売している「シーブリーズ」の話があります。

「シーブリーズ」は、もともとは「男性が海で使うローション」というポジションに陣取り、その爽快感を売り物にしていたのですが、時代とともに若者の海離れや日焼けを避ける傾向が強まり、売上は低迷していきました。

そこで、ポジションを「女子高生が日常的に使う制汗剤」に変更したところ、なんと売上が8倍になったということです。

同じ商品でも、ポジションを変えただけでこれだけの差が出るということですね。

ポジショニングマップの作成手順

ポジショニングマップとは

ポジショニングの検討には、縦軸と横軸からなる2つの軸で分析する「ポジショニングマップ」を作成するのが一般的です。

ポジショニングマップ

例として、ビール市場のポジショニングマップをとりあげたのが上図です。

市場における競合のポジションを、2次元で表現しますので、競合との関係性をひと目で把握できます。

縦軸と横軸を決めたら、あなたのブランドや商品・サービスと競合を位置づけすれば、ポジショニングマップは完成です。

ポジショニングマップを作成すれば、より効果的なブランディングやマーケティング戦略の立案にも役立ちます。

競合調査の情報をもとに、ポジショニングマップを作成していきましょう。

ポジショニングの2つ軸の選定ポイント

Point1)顧客が購入する際に重視する項目(顧客決定要因)であること
Point2)2つの軸は独立性が高いこと
Point3)あなたの強みが軸になっていること

1つ目のポイントは「顧客が購入する際に重視する項目(顧客決定要因)であること」です。

顧客決定要因は「KBF(KeyBuyingFactor)」とも言い、大きくは下記4つに分類することができます。

  1. 特徴(価格、性能、デザインなど)
  2. ベネフィット(顧客が満足すること。リラックスできるなど)
  3. イメージ(顧客が受けるイメージ。都会的など)
  4. ペルソナ属性(年齢、性別、家族の有無など)

KBFをよく見極め、そのうちとくに重要な2つの要因を使用してポジショニングマップを作成していくことが大切です。

次のポイントは、「2つの軸は独立性が高いこと」です。

例えば「価格」と「性能」ですが、一般的に機能が高ければ価格も高くなるため、この2つを軸にするのは有効ではないということです。

「重さ」「大きさ」についても同様です。

そして3つ目のポイントは、「あなたの強みが軸になっていること」です。

有効な軸を見つけたとしても、自分がそのポジションに陣取れなければ意味がありません。

ですので、どちらかの軸にはあなたの強みを含めるようにしましょう。

2つの軸さえ決まってしまえば、あとは2次元のグラフを作成して、あなたと競合の位置づけ(マッピング)していくだけです。

STEP1 KBFの抽出

ポジショニングマップの作成では、最初に顧客が商品やサービスの購入を決める要因である「KBF」を決めていきます。

ポイントは、自分視点で比較しやすい項目を抽出するのではなく、あくまでも「顧客目線」で考えることです。

ペルソナになりきって、KBFを考えてみましょう。

例えば、外出先でも使えるノートパソコンを探しているペルソナのKBFとして考えられるのは、

  • コンパクト
  • 軽さ
  • デザインのよさ
  • 価格
  • スペックのよさ

などが挙げられます。

STEP2 2つの軸を決定

KBFを抽出できたら、ポジショニングマップの縦軸と横軸を定めます。
独立性に注意しながら、抽出したKBFを色々組み合わせていくつかポジショニングマップを作成します。

ここで競合が取りにくく、あなたがポジショニングが可能であれば、その領域こそが「あなたの独自ポジション」となります。

ポジショニングの成功事例

成功事例

スターバックス

高価格ながらも、「おしゃれな空間」で「くつろぎながら」コーヒーが飲めるカフェとして不動のポジショニングを築いているのがスターバックス。

スターバックスは、ビジネスマンをターゲットに、仕事でも家庭でもない「第三の場所」としての空間を提供することを掲げてブランディングを行いました。

そして大都市、特にビジネス街のサラリーマンをターゲットとして、価格は高めに設定しつつもインテリアや室内設計にこだわった店舗を展開していきました。

「気軽さ」や「安さ」ではなく、「高級感のある空間でくつろぎながらコーヒーが飲める」という価値を提供することで独自のポジションを確立したのです。

「吉野家」と「すき家」

誰もが知る牛丼のチェーン店である「吉野家」と「すき家」も、ポジショニングに成功した企業です。

牛丼チェーン店の先駆けとなった吉野家は、「ビジネスマン」「働く男性」をターゲットにしてポジショニングを行いました。

吉野家は、「価格の安さ」「スピーディーな提供」「量も十分でお腹いっぱいになれる」というの3つの価値を提供して成功しました。

そして後発組である「すき家」。

すき家は「女性」「ファミリー層」をターゲットに設定し、吉野家とは異なるポジションを狙いました。

バリエーション豊富な牛丼メニューを提案し、幅広い客にリーチする外食チェーン店として成功しました。

ヘルシア緑茶

花王が2003年に発売し、大ヒットしたのが「ヘルシア緑茶」です。

もともと、緑茶業界は「お〜いお茶」や「伊右衛門」、「生茶」など数多くの商品があり新規参入は難しいと考えられていました。

しかし花王は、ターゲットを、「肥満に悩む中年男性」としてポジショニングを行いました。

そしてお茶に「飲むだけで体脂肪を消費しやすくする」という付加価値を付け、特定保健用食品の認可を取得しました。

その結果、「ヘルシア緑茶」は独自のポジショニングによって成功を果たしました。

まとめ

この情報過多の時代、市場での立ち位置を明確にし、戦うべきポジションを確立した上でブランディングを行うことが大切です。

ビジネスの成否は、ポジショニングやコンセプト作りで9割が決まります。

ポジショニングマップを上手く活用すれば、戦わずに勝てるポジションを確立することもできます。

ぜひポジショニングマップを賢く活用して、優れたビジネス戦略を練っていきましょう。


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